著作
小説処女作「幻花」
今から六十二、三年も前のまだ古き佳き時代の残り香ただよう阪神間のたたずまいを横糸に、戦争の犠牲となってニューギニアで自決した婚約者の美しい残像を縦糸にして、わたしはこの一遍を夢中になって織りつづけた。(あとがきより/1990年出版)
小説第二作「夢幻空華」
「幻花」を世に出すと、およそ考えられないような人たちとの出逢い、理屈では説明のつかない数々の出来ごと。わたしはそれらを追うように、また追われるように書道の仕事のかたわらワープロに向い、二年余りを過ごした。(あとがきより/1995年出版)